2010年10月17日(日)「しんぶん赤旗」

食料主権守る貿易に

新潟 APEC開催地で市民デモ


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(写真)農産物輸入自由化するな、とちょうちんデモをする「APEC対抗市民行動」参加者=16日、新潟市

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)の食料安全保障担当大臣会合の会場となった新潟市で16日、農民や農協関係者、女性団体などから参加した約250人が、食料主権を求める対抗市民行動として国際フォーラムとデモ行進をしました。

 国際フォーラムで主催者あいさつした農民連の白石淳一会長は、菅内閣が農産物の完全自由化となるTPP(環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定)を含むFTA(自由貿易協定)推進を強めていることにたいし、「民主党は農業には影響を与えないと公約していたのはどうしたのか」と批判。農産物の関税撤廃・自由化になると、世界の食料ひっ迫のなか食料自給率は12%に落ち、農村崩壊、内需冷え込みになると指摘し、自給率向上に向けた国民の連帯を訴えました。

 パネリストの真嶋良孝農民連副会長・国際部長は、自由貿易協定について、財界の要求が背景にあり、一部の輸出企業の売り込みのためのものだと資料を示して分析、「国際連帯を広げ、希望をグローバル化しよう」と呼びかけました。

 韓国から参加した全国農民会総連盟のイ・チャハン政策委員長は、日本の農民と同国の農業状況が似ていると紹介。「原因は新自由主義だ。多国籍企業だけがもうけ、農業・農村のもつ多面的機能も失われる仕組みづくりだ」と告発しました。

 現地主催者団体の食健連組織「にいがた食と農と健康、教育のネットワーク」を代表して稲作農家の今井健さんは、米の輸入のなかで市場人気が高い新潟コシヒカリも採算がとれず機械が壊れたら農業をやめざるを得ない状態になっていると紹介、食料主権を保障する貿易ルールこそ農民・消費者の願いだと訴えました。





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