2010年10月9日(土)「しんぶん赤旗」
安全脅かす退職強要
航空連 “日航に政府は指導を”
日本航空のリストラ問題で、航空運輸産業の労働組合でつくる航空労組連絡会は8日、国土交通相と厚生労働相あてに、安全と公共性に影響する退職強要などをやめさせるよう要請しました。
航空連によると、経営再建中の日航は9月から希望退職を募集。応募数が目標を下回っているため、日航は労組に「整理解雇の人選基準案」を示し、対象者に「面接」を行うとして乗務から外し、「あなたに活躍の場はない」と脅すなど指名解雇に動きだしています。
航空連は政府に対し、「安全と公共性に影響を与える人員削減ありきの日本航空再建計画の見直しを」と要請。退職強要とも言える日航の対応を正し、解雇の回避に向けた経営努力を尽くさせる指導を求めました。
記者会見した航空連の近村一也議長は日航の対応について、「退職勧奨でなく、違法な退職強要だ」と批判。現場に雇用不安が広がっており、安全運航にも影響を与えかねないと指摘しました。
日本航空乗員組合の宇賀地竜哉委員長は、解雇の対象にされた機長ら320人以上が乗務を外されていると指摘。現場では雇用不安から自由にモノが言えない状況で、安全確保に支障が出かねないとのべました。
■関連キーワード