2010年10月6日(水)「しんぶん赤旗」

高校校庭に米軍指揮所

静岡県立伊東高 「防災」訓練を名目に

ネットビデオ公表で判明


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 静岡県など主催の総合防災訓練のなかで、キャンプ座間(神奈川県座間、相模原両市)の米陸軍第1軍団前方司令部が高校グラウンドなどを使い、「防災」とは無縁な指揮所の展開訓練を実施していたことが、在日米陸軍がネットで最近公表したビデオで分かりました。

 防災訓練は9月1日に静岡県と伊東市が共催しました。在日米陸軍は、横浜ノース・ドック(横浜市)に兵たん支援地区を配置。そこから大型揚陸艇で第1軍団前方司令部の装備や高機動多目的装輪車両(ハンビー)や中型トラックなどの軍用車両を伊東港に輸送し陸揚げしました。市内の県立伊東高校のグラウンドには8月31日の午後からテントや車両、通信機材を持ち込み、同司令部の指揮所を設置し、9月1日午後3時ごろまで訓練を実施。兵たん、天候、要員などの動きをキャンプ座間の指揮センターへ報告しました。

 伊東高校は8月30日から新学期が始まっていましたが、防災訓練当日、生徒は全員、別の場所での防災訓練に参加し、校内にいませんでした。

 ビデオで在日米陸軍副司令官のロバート・ディエソ大佐は「太平洋軍主導の訓練と連結して、静岡県の総合防災訓練に参加する陸上自衛隊・東部方面隊との訓練ができた。第1軍団前方司令部の指揮・統制能力を展開する場となり、陸上自衛隊との連携を期待」と意義を語りました。

 在日米陸軍のニュース「トリイ」9月9日号で、第1軍団前方司令部司令官のフランシス・ワーシンスキー少将はノース・ドックから伊東港への海上輸送演習の目的の一つが「新たな指揮・統制司令部が作戦状態に入り、そこに出動し、そして実際にシステムが試験できる」ことにあると述べました。

 司令部の展開は「防災」とは無縁の行動で、防災訓練が米軍の演習に利用されていたことは明らかです。





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