2010年10月6日(水)「しんぶん赤旗」

原爆症の認定求める

3人が広島地裁に提訴


写真

(写真)提訴に向かう原告と支援する人たち=5日、広島市中区

 原爆症認定集団訴訟を受けて国が2008年4月に認定基準を大幅に緩和したにもかかわらず、申請を却下された広島市内の被爆者3人が5日、国に認定するよう求めて広島地裁に提訴しました。基準緩和後も申請却下が相次いでおり、いっせい提訴は8月の大阪地裁に続くものです。

 3人は、爆心地から1・2〜2・7キロで被爆した男性1人と女性2人です。いずれも甲状腺機能低下症や心筋梗塞(こうそく)の認定を申請。緩和された基準は、爆心地から3・5キロ以内で被爆した場合、がんや心筋梗塞、甲状腺機能低下症、白内障などについて積極的に認定する方針を示しており、積極認定の要件を満たしながら却下されました。うち2人は、審査結果に異議を申し立てていますが「再び却下されることが予想され、何年も待てない」と提訴に踏み切りました。

 「原爆症の認定を求める集団訴訟を支援する広島県民会議」は提訴後、広島弁護士会館で集会を開きました。40人が参加。原告代理人の二国則昭弁護士は「国・厚労省は昨年末の集団訴訟の終結にあたって『今後、裁判で争うことのないよう協議し、原爆症認定問題の解決を図る』と約束したのに協議が進展しないばかりか、原爆被害の実態を見ない審査を続け、司法判断とのかい離を是正する姿勢がない」としました。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp