2010年10月2日(土)「しんぶん赤旗」

オスプレイ「普天間」配備

墜落頻発機 米海兵隊、12年明記


 米海兵隊はこのほど、沖縄の普天間基地(宜野湾市)に配備しているCH46E中型ヘリコプター部隊(計24機)を、2012年秋から最新鋭の垂直離着陸機MV22Bオスプレイ部隊に転換していく具体的な計画を初めて明らかにしました。米海兵隊が今後10年間の航空部隊の配備計画などを示すものとして公表した「2011会計年度海兵航空計画」で示されたものです。

 同計画はまた、「普天間代替施設」の建設が遅れたり、中止になった場合には、オスプレイ部隊配備のため普天間基地で駐機場や滑走路などの整備を行うことを明記。日米両政府が「普天間代替施設」として狙う、沖縄の名護市辺野古への新基地建設の進展状況にかかわらず、12年秋から普天間基地へのオスプレイ部隊の配備を強行、新基地建設が実現すれば同部隊を移転させることを想定しています。

 現在、普天間基地に配備されているCH46E中型ヘリ部隊は、2個中隊(略称=HMM262とHMM265)あります。今回公表された「海兵航空計画」によると、この2個中隊のうち、(1)1個中隊(HMM265、12機)は12年10月から、米カリフォルニア州ミラマー基地所属のオスプレイ中隊(VMM561)と交代(2)もう1個の中隊(HMM262、12機)は13年10月から、ミラマー基地所属の別のオスプレイ中隊(VMM562)と交代します。

 同計画はこのほか、普天間基地または「普天間代替施設」に、オスプレイの飛行訓練装置を設置することを明記しています。

 沖縄では今、オスプレイの配備計画を隠した新基地の環境影響評価(アセスメント)に批判が高まっています。加えて、新基地建設の有無にかかわらず、普天間基地にオスプレイを配備する計画が明らかになったことで、沖縄県民の反発がいっそう広がるのは必至です。


 MV22オスプレイ 両翼のローター(回転翼)の向きを変えることで、ヘリコプターのような垂直離着陸や、固定翼のプロペラ機のような水平飛行ができる輸送機。従来の輸送ヘリに比べ、飛行速度や航続距離、搭載能力に格段に優れ、海兵隊の“殴り込み”能力を強化。騒音の増大が懸念されており、不安定な構造のため開発段階で墜落事故も頻発しています。





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