2010年9月26日(日)「しんぶん赤旗」

カットオフ交渉促す

国連事務総長

軍縮会議の停滞打開訴え


 【ニューヨーク=小林俊哉】多国間軍縮機構であるジュネーブ軍縮会議(CD)の活性化についてのハイレベル会合が24日、ニューヨーク国連本部で、潘基文(パン・ギムン)事務総長の主宰で開催されました。潘事務総長は、CDは「さらに多くの成果を、もっと迅速におさめるようでなければならない」と強調しました。

 CDは、多国間軍縮交渉に取り組む常設組織です。1978年の第1回国連軍縮総会総会の決議によって軍縮委員会として設立されて以降、核不拡散条約(NPT)、包括的核実験禁止条約(CTBT)などの軍縮条約づくりで成果を挙げました。

 しかし、全会一致が原則であることなどから、この10年間は成果をおさめることができませんでした。核分裂性物質生産禁止(カットオフ)条約の交渉も開始にこぎつけることができていません。

 潘氏は、「参加国の政治的意思があれば、(前進は)可能だ」と強調。CTBT発効にむけた努力、カットオフ条約での交渉開始の重要性をあらためて訴えました。

 米国のセイモア大統領特別補佐官は、カットオフ条約の交渉が、パキスタン1国の反対で開始できない状況を批判。名指しは避けながらも同国に交渉開始に合意するよう求めました。現状が続くのであれば、CDの枠組みとは異なる場での協議を考慮するべきだと述べました。

 前原誠司外相は、「条約交渉の場」を提供する用意があると述べ、CD以外の場での交渉に前向きの姿勢を示しました。

 潘氏は討論のまとめで、カットオフ条約交渉ができないままで停滞が続くなら、CD以外の場での選択肢をとる動きがでてくるかもしれないと指摘。参加国に交渉開始に向けたいっそうの努力を求める一方、CD機構の包括的見直しにも着手することを表明しました。





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