2010年9月26日(日)「しんぶん赤旗」

教育は無償 公私共通の理念に

高校教育考えるシンポ

大阪


 公立高校授業料の無償化と年収350万円以下の世帯の私立高校授業料を無償化した大阪で、「学費無償」時代の大阪の高校教育のあり方を公立・私立の現場から探ろうとシンポジウムが25日、大阪市内で開かれました。主催は大阪教職員組合高校部。

 志摩毅府立高等学校教職員組合委員長が、無償化は粘り強い府民の運動の成果だが橋下徹知事は無償化をてこに公私で競争を激化させようとしているとし、「いま求められているのは学ぶ権利を保障し、競争の教育を見直すことだ」と述べました。

 府立高校教師の与田徹さんが、今年度、全日制の進学率が上昇したことを報告し、「この方向での前進が必要」と強調。教育のあり方として、「豊かな高い学力を保障する教育」とし、「多様化」「習熟度別授業」にとりくまなければ予算がつかないしくみを改めるべきだと述べました。

 大阪市立高校教師の竹下淳一さんが、授業料以外にも費用がかかることを詳しく紹介し、「教育は無償に」と語りました。

 大阪私学教職員組合の岩井繁和書記長が、私学は付加価値があるから授業料は高くて当然という声に対し、「教育費は無償という理念から教育をとらえ直すべきだ」と発言。

 大阪市立中学校教師の更家信子さんは、無償化は待ち望んだことと述べるとともに、生徒獲得競争の激化や高校の変化に進路指導が混乱する現状などを語りました。

 参加者からは、「教育は無償ということを公私ともに共有することが必要」「子どもたちの声を聞くことが大事」など発言が続きました。





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