
2010年9月26日(日)「しんぶん赤旗」
陸自演習
新潟沿岸 民有地で
上陸を監視・原発所在地も
24日から陸上自衛隊第12旅団司令部と第12偵察隊(群馬県榛東村)が群馬、新潟両県で実施している警戒・監視演習(28日まで)の一環として、新潟県内の海岸沿いの民有地でレーダーなどを使用する訓練を行うことが25日までにわかりました。防衛省が日本共産党の塩川鉄也衆院議員に提出した自治体への通知文書に明記されていました。
群馬県内のダムやゴルフ場跡地、新潟県内の休業中のスキー場での演習だけでなく、海岸から「侵入した武装工作員」を内陸の攻撃目標となるダムなど重要施設まで追跡・警戒・監視するための広域の演習であることを示すものです。
訓練を実施するのは第12偵察隊所属のレーダーや通信機器を使い、移動する船舶や車両を監視する電子偵察小隊とみられます。隊員8人、車両3両が参加。阿賀野市、五泉市、出雲崎町、原子力発電所の所在する柏崎市、上越市の5カ所の民有地を使用します。通信機材やテントを設置し昼夜通しての通信・レーダー操作訓練を行います。出雲崎、柏崎、上越では海岸を使い沿岸部を監視する訓練を行います。
武力攻撃事態対処法にもとづく事態類型ではゲリラ・特殊部隊による攻撃の目標となりやすい地域としてダムや原子力関連施設をあげ、自衛隊や警察が事態発生を察知・予知するための監視活動を行うとしています。
陸上自衛隊の作戦・戦闘マニュアル「野外令」ではゲリラ・特殊部隊による攻撃の監視・警戒態勢について、沿岸部で監視部隊を配置し早期に「敵」の潜入の状況を探り、内陸部で警戒部隊を配置し侵入・潜伏する「敵」の状況を探り行動を抑え込むとしています。
今回の演習は、日米軍事協力の一環で、自衛隊が日本国内の態勢・役割分担として強化してきたゲリラ・特殊部隊への対処のための訓練を演習場外の実地で行うものとなりました。
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