2010年9月25日(土)「しんぶん赤旗」

無期限の雇用保障合意

独シーメンス労使

国内本社と子会社の12万8000人


 ドイツの大手電機機械会社シーメンス(本社ミュンヘン)の労使は22日、国内の本社と子会社の正規労働者12万8000人には会社都合の解雇をせず、無期限で雇用保障することで合意しました。独金属産業労組(IGメタル、230万人)が23日にウェブサイトで明らかにしたもので、22日にシーメンスと同労組、企業内の労働者を代表する事業所評議会の代表が合意に署名しました。(片岡正明)


 シーメンスは2008年6月、「困難な時期に従業員の意欲を維持し、企業活動に反映させる」として、本社で働く9万5000人に対し、2年間は企業都合の解雇は行わないことを労働者側と合意していました。

 合意の期限が9月に切れるのを受け、労使が再交渉。保障する労働者の範囲を子会社まで広げ、12万8000人とし、雇用保障を無期としました。同労組によると、期限を切らない雇用保障は独労使間では「初めて」です。

 ただし、IT関係の子会社SISはすでに2000人の従業員削減を決めており、唯一の例外となります。また、海外工場での雇用保障はしていません。

 独メディアは「労働者には喜ばしい前例のない決定だ」と報道しました。

 金属産業労組のフーバー委員長は合意により「将来にわたり、シーメンスに従業員に対する社会的責任を果たさせることになる」と強調しました。

 一方、シーメンス側は「技師など専門家の人材確保が困難になる中で、雇用の安心が広がれば人材確保につながる」(シャイトル監査役)と評価。レッシャー社長兼最高経営責任者は「ドイツ国内での工場維持を公言するものだ」と述べました。





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