2010年9月24日(金)「しんぶん赤旗」

核兵器ない世界つくりたい

ビキニ水爆実験で被ばく 久保山さんの遺志継ぎ歩く


 太平洋のビキニ環礁で行われた水爆実験で犠牲となった第五福竜丸の無線長、久保山愛吉氏が亡くなり56年の命日となる23日、9・23故久保山愛吉氏追悼焼津行動(3・1ビキニデー実行委員会主催)が静岡県焼津市内で行われました。


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(写真)故久保山氏の遺影を先頭に行進する人たち=23日、焼津市

静岡・焼津

 午前は、JR焼津駅から久保山氏の墓がある弘徳院まで献花平和墓参行進が行われました。今にも雨が降り出しそうな中、280人が、「青い空は」などの歌を歌いながら沿道の人たちに核兵器廃絶をアピールしました。

 「墓前の誓いのつどい」では、主催者代表の川本司郎・静岡県原水爆被爆者の会会長があいさつし、「久保山さんの『原水爆の被害者は私を最後にしてほしい』という遺言を実現する道は、核兵器を全面禁止・廃絶する以外にありません。日本政府がアメリカの核の傘から抜け出して、核兵器廃絶の先頭に立つことを強く求めます」とのべました。

 清水泰・焼津市長が来賓あいさつで「地球上から核兵器をなくしたいという気持ちはみなさんと同じです」と話しました。

 原水爆禁止世界大会実行委員会を代表して樋口重夫氏が、5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議や8月の広島・長崎の世界大会の成果と呼びかけに応え、核兵器廃絶へ全力でとりくむ決意を語りました。

 県宗教者平和懇談会、県青年団連絡協議会、日本科学者会議静岡支部、自由法曹団静岡支部の各代表が誓いの言葉を述べました。

 平和市長会議加盟自治体(県内14市)からメッセージが寄せられ、小嶋善吉静岡市長のメッセージが代読されました。

 午後の「焼津のつどい」は、会場いっぱいの210人が参加。安斎育郎・原水爆禁止世界大会議長が「核兵器のない世界へ―次のステップを」と題し講演。林克・県評議長や清水市長のあいさつ。NPT再検討会議ニューヨーク行動の参加者の特別発言などがありました。

 来年の3・1ビキニデーに向けた「9・23焼津アピール」を確認しました。

ビキニ被災―第五福竜丸の23人が…

 1954年3月1日、米国が太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁で行った水爆実験で日本の「第五福竜丸」をはじめとする漁船の船員、島民らが多数被ばくする事件が起きました。ビキニ被災です。

 強い放射能を帯びたサンゴ片の「死の灰」で「第五福竜丸」の乗組員23人全員が被ばくしました。約2週間後に帰港し入院しましたが、久保山さんは9月23日、乗組員の中で最も早く死亡しました。

 広島、長崎に続いて、久保山さんが原水爆実験で死亡したことは社会に衝撃を与えました。これを契機に日本国内で核兵器廃絶の運動が高まりました。毎年、「3月1日」にちなんでビキニデー集会が行われてきました。核廃絶運動の原点ともいえる運動です。





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