2010年9月20日(月)「しんぶん赤旗」

原発稼働延長 10万人反対

独首都で抗議デモ

首相「限定的」と弁明


 ドイツのメルケル政権が、シュレーダー前政権が決めた原発廃止を大幅に延長する方針を決めたことに対し、野党や環境団体などが18日、大規模な抗議デモを首都ベルリンで行いました。(片岡正明)


 主催者発表で10万人となったこの日のデモは、「原発はいらない」「今こそ原発廃止を」などの横断幕を掲げ、首相府前やベルリン駅周辺を練り歩きました。

 ロイター通信によると、この規模の反原発デモは、1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故直後以来です。参加者は「以前はメルケル首相に好意を持っていたが、今度の原発復活には反対だ」と語りました。

 ドイツには、現在、17基の原発があります。与党は5日に、建造が古い7基は8年、比較的新しい10基については14年、平均で12年の稼働期間延長を決めました。

 メルケル政権は、原発稼働期間延長は原発依存路線への復帰ではなく、再生利用可能エネルギーの供給が十分にいきわたるまでの「橋渡し」で限定的なものとしています。

 しかし、かつて2022年までの原発全面廃止を決めた社会民主党、90年連合・緑の党が反発し、環境団体が反対運動を繰り広げています。左翼党もメルケル政権のエネルギー政策変更は「原発を所有する電力会社に買収されたものだ」と非難しています。

 特に建造が古くなっている原発の放射能漏れなどの事故が相次いでいると環境団体は批判。また、原発廃止を見込んで、風力発電所など再生エネルギー発電所を建設した地方自治体は「破産の危険がある」とエネルギー政策変更を問題にしています。





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