
2010年9月17日(金)「しんぶん赤旗」
米艦が宮古島寄港計画
市や沖縄県、「自粛」要請
米海軍佐世保基地(長崎県)に所属する掃海艦ディフェンダー(全長74メートル、排水量1312トン)が今月21日から24日まで、沖縄県宮古島の平良(ひらら)港に寄港を計画しています。
米軍艦船の同港への寄港は初めてで、沖縄の民間港への寄港は日本復帰後3度目になるといいます。米軍による民間港利用の動きに対し、地元・宮古島市や沖縄県は寄港自粛を求めています。
平良港への米艦船寄港の連絡は、宮古島海上保安署の8月20日付文書で宮古島市にありました。寄港目的は「親善・友好」。米兵48人が上陸予定とされています。
同市港湾課などによると、連絡を受けた下地敏彦市長は今月7日、同保安署に対し「(平良港は)民間船舶の利用に供している港であり、寄港を自粛してほしい」と要請。同市の長浜政治副市長も15日、外務省沖縄事務所の樽井澄夫沖縄担当大使を訪ね、寄港自粛を要請しました。
また、同市から連絡を受けた沖縄県も、又吉進知事公室長が同日、在日米海軍司令官や在沖縄米国総領事、外務省の日米地位協定室長に文書で寄港自粛を求めました。
同文書は「民間港湾は、民間船舶の運航施設として設置されたものであり、緊急時以外は、米軍の使用は自粛すべきであるというのが県の一貫した方針である」と指摘。「民間船舶の円滑な定期運航および安全性を確保するため、民間港湾等を使用することがないよう」に求めています。
米軍艦船による沖縄の民間港への寄港問題では、昨年4月、2隻の掃海艦が石垣港に、地元・石垣市の中止要請にもかかわらず寄港し、反対する市民らを押しのけて米兵らが外出を強行するなど、大問題になりました。
米海軍は民間港寄港の目的を「親善・友好」などとしていますが、その狙いが戦時での軍事利用を念頭に置いた調査にあることが、米軍の情報公開文書などで既に明らかになっています。
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