2010年9月12日(日)「しんぶん赤旗」

戦争の選択肢 時代遅れ

マレーシア元首相 マハティール氏語る


 東南アジア諸国連合(ASEAN)の指導者を長く務めたマレーシアのマハティール・モハマド元首相が、本紙のインタビューに応じ、アジアの平和と安全保障のあり方について考えを語りました。元首相は、いま世界では「戦争によって問題は解決しない」との認識が広がっていると強調。外国軍の駐留や軍事的な脅しは平和と安全保障に逆行するとの認識を示しました。(クアラルンプール=井上歩 写真も)


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(写真)マハティール・モハマド 1925年生まれ。マレーシアの第4代首相で、1981〜2003年の22年間、務めました。在任中は、東アジア経済協議体構想やルックイースト政策など、アジア諸国との連帯を政策の中心に置いてきました。09年1月には、原水協と被団協が求めた国際署名「核兵器のない世界を」に応じました。

 マハティール元首相は、平和・安全保障分野での世界的傾向について、イラク戦争の失敗などを例に、「戦争という選択肢」自体が「時代遅れ・期限切れになっている」とのべました。

 そのうえで、日本に米軍基地がなくても、日本が安全保障を図ることは「完全に可能」だと指摘。逆に基地の軍事的な脅しは相互の軍事力増強を招きかねず、「平和を脅かす」ものだとのべました。

 ASEANは外国軍を駐留させず、必要ともしていなく、どの国も外国の軍事基地は置かない方向に進んでいくべきだとも指摘しました。

 元首相は、ASEANは戦争回避のために結成されたと強調。どんな紛争や問題でも軍事力ではなく交渉での解決に努力してきたとし、「問題は交渉でしか解決できない」ことは世界的な認識になってきていると指摘しました。

 安全保障の枠組みについては、ASEAN地域フォーラム(ARF)などの対話・協力枠組み、各国国防部門の相互連絡・協力などを通じて、ASEANは平和を維持しているとのべました。

 ASEANが主催するARFは、現在のアジア・太平洋の主要な安全保障対話・協力枠組みとなっています。(詳報





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