2010年9月12日(日)「しんぶん赤旗」

文化予算 割合高めて

「0.5%」へ俳優・歌手ら請願署名


 俳優、歌手、舞踊家、演芸家、演出家などの実演家の団体で構成する芸団協(日本芸能実演家団体協議会、会長・野村萬=能楽師)は、文化芸術立国を実現するための請願署名「国は、国家予算に占める文化予算の割合を0・11%から0・5%に増やしてください」をおこなっています。


 請願では、「国民の実演芸術創造と享受の機会」の拡充、「芸術組織が、その専門性を発揮し、持続的に発展していける新たな助成制度」などを求め、そのためにも「文化予算を国家予算の0・11%から、0・5%に」増やすことを求めています。

 実演家団体の芸団協がこうした署名活動をおこなうことは初めてのことです。

 署名呼びかけ人には、野村萬会長を代表に、青空球児(漫才協会会長)、伊藤京子(日本演奏連盟理事長)、小沢昭一(日本新劇俳優協会会長)、桂歌丸(落語芸術協会会長)、児玉幸治(日本オーケストラ連盟理事長)、崔洋一(日本映画監督協会理事長)、西川信廣(日本劇団協議会会長)、西田敏行(日本俳優連合理事長)、柳家小三治(落語協会会長)ら、100人を超える芸術団体の代表が名前をつらねています。

 芸団協がこうした請願署名をする背景には、新政権が事業仕分けを実施し、文化庁事業の縮減または廃止を決定し、3年後には芸術団体への助成を2分の1に減らす方針を打ち出すなど、これからの文化行政への危機感があったと大和滋芸団協芸能文化振興部長はいいます。

 芸団協は現在71団体が正会員、傘下の実演家は9万人にのぼります。請願署名は団体や個人を通じて11月26日までおこなわれます。


国民に協力訴え

芸団協会長 野村萬氏が談話

 私ども芸能関係者の悲願でありました文化芸術振興基本法が2001年に制定され、はや10年近くが経過しました。

 基本法の制定を契機として、活発な議論を積み重ねてきましたが、昨年、政府の事業仕分けにより実演芸術の諸事業について縮減の方針が示されるなど新政権の文化政策のビジョンの在り方が問われることになりました。

 今、第三次の基本方針の見直し作業が進み、年末には策定されます。この基本方針と2011年度文化関連予算の在り方は、今後の日本の文化芸術の在り方に大きな影響を与える転換点と考えられます。

 改めて、基本法の理念に立ち返り、具体的な政策を考え、理念を実現するために、強く政府に実行を求めて行かなければならない時と考えました。文化関係者はもとより多くの国民の皆様のご協力をお願いいたします。


 日本の文化予算 日本の国家予算に占める文化予算(1020億円)は、フランス0・81%、韓国0・73%、ドイツ0・39%、イギリス0・24%(2009年、文化庁調べ)と比べてもかなり低い割合です。





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