2010年9月11日(土)「しんぶん赤旗」

海兵隊の“意義”強調

民主党政権初の「防衛白書」


 北沢俊美防衛相は10日の閣議で、民主党政権では初めてとなる2010年度版「防衛白書」を報告し、了承されました。

 白書は、沖縄の海兵隊を含む在日米軍の駐留の“意義”を強調。沖縄県の米軍普天間基地(宜野湾市)「移設」問題で、海兵隊が「抑止力」のため必要との認識を示し、「普天間基地所属のヘリ部隊を、沖縄所在の他の海兵隊部隊から切り離し、国外・県外に移設すれば、海兵隊の持つ機能を損なう懸念がある」と述べ、「国外・県外移設」を全面否定しました。

 さらに、沖縄県民の7割以上が反対している、普天間基地の名護市辺野古「移設」について、「沖縄県民の負担軽減」のためとして正当化しました。

 鳩山由紀夫前首相は普天間基地の「県外・国外移設」を主張していましたが、「抑止力」を理由に公約を撤回。白書は、民主党政権の公約破りを合理化する内容になっています。

 民主党は自公前政権によるインド洋・イラクへの自衛隊派兵を批判していましたが、白書はいずれも肯定的に評価。従来の立場を覆しました。

 「防衛白書」は当初、7月下旬に公表される予定でしたが、韓国との間で領有権を争う竹島に言及しているとして、8月10日「韓国併合」100年に関する菅直人首相談話の発表後に延期されました。ただ、竹島については、前回白書と同じ「わが国固有の領土」との記述でした。

 各国の動向では、中国に関する記述が大幅に増え、とりわけ中国海軍について、「わが国の近海においては、何らかの訓練と思われる活動や情報収集活動を行っていると考えられる」として警戒感を示しました。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp