2010年9月10日(金)「しんぶん赤旗」
静岡・小山町 豪雨から一夜明け
陥没・断水・孤立
台風9号による豪雨で道路が陥没し、橋が流失するなどの被害を受けた静岡県小山(おやま)町。一夜明けた9日、依然として孤立した状態におかれた地区もあり、住民たちは流木や泥の除去など懸命の復旧作業にあたりました。(静岡県・内田伸治)
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小山町災害本部によると、8日の降雨量は最大で1時間に120ミリに及び、小山町内を流れる野沢川と鮎沢川の合流地点にある下野沢橋が流失。土砂くずれは85カ所を数え、各地で町道が陥没し、交通が遮断されています。床上浸水は47世帯、床下浸水は67世帯となり、断水が1500世帯に及んでいます。給水車が6台出て、各地域への給水に懸命にとりくんでいます。
小山町役場の横にある町道は幅5メートル、長さ15メートルにわたって大きく陥没しています。取材に来ていたフジテレビの取材班の1人がその穴に転落し、意識不明の重体になっています。
野沢川の上流部にある、柳島地区では町道が40メートルから50メートルにわたって崩落し、26世帯が陸の孤島となっています。側溝など小さな川からも大量の土砂が流れこみ、玄関先で土砂を片付ける住人の姿も見られました。
昨夜は避難していたという60代の女性は、「水が出なくて困っています。早くお風呂に入りたい。どこに行くにも車でないと大変なので、なるべく早く復旧してほしい」と話しました。
野沢川の下流部にある藤曲地区では、大量に流れてきた土砂により、床上・床下浸水の処理に追われていました。
床上浸水の被害にあった50代の女性は「昼は仕事に行っていて助かりました。今は近くの実家に泊まっています。土砂の跡を見ると高さは1メートルにも及ぶほどで、家の中の土を片付けるのにガラスの破片などもあり大変です。5年前に耐震補強したばかりなんですが、とても泥がすごくて、何から手をつけていいかわかりません」と頭を抱えていました。
共産党、被災者の要望聞き取り
日本共産党小山支部の畑博行政策委員長(町議予定候補)は被災状況を見て回り、被災住民の要望を聞きました。「現在は、水道の復旧を第一に急がないといけません。陸の孤島となっている柳島地区の食料の問題や、体の動かないお年寄りのケアの対処も必要です。住民の要望が実現できるように全力をあげたい」と話しています。