2010年9月7日(火)「しんぶん赤旗」

野菜や果物 猛暑深刻

生育不良や病虫害の被害も


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(写真)定植後の育ちが悪い秋キャベツ畑。大槻哲雄さんは水まきが毎日の日課です=6日、福島県桑折町

 記録的な猛暑により全国的に農作物の生育や品質への影響が出ています。野菜の種まきの遅れや、雨不足によるキャベツ、ブロッコリーなどを苗床から畑に移す定植の遅れが出ており、病虫害も発生しています。東北地方、北海道の事情をみました。

 青森県では、リンゴの早生種「つがる」が夜の気温が下がらず着色が遅れています。夏秋トマト、ダイコンなどの野菜で病虫害が発生し、収量が減少しています。

 岩手県では、ホウレンソウが7月以降の高温の影響で、生育遅延・停止や株の枯死が発生し、収穫量が減少しています。レタスやキャベツは7月の降雹(こうひょう)や集中的な多雨とその後の高温によって、小玉傾向となり、腐敗性病害も見られます。

 福島県では、最盛期に入っているナシが通常より小ぶりで、秋冬野菜の定植の遅れや根付きが悪いなど、影響が広がっています。水稲に被害をもたらすカメムシも例年の倍以上発生しています。

 同県桑折町の野菜農家、大槻重吉さん(73)と息子の哲雄さん(35)は、ダイコン、白菜、キャベツ、ブロッコリーなど主要作物が軒並み影響を受けているといいます。育ちが悪かったり、まだ定植できなかったり。散在する畑に毎日水をまくのが日課です。「ことしの天気には本当にまいった。例年のような水かけでは芽が出ず、やり直した」と肩を落としていました。

 北海道では、6月から急激に気温が上がり、7、8月は高温、大雨などで多湿に。そのため病気が発生し、カボチャ、ダイコン、ビートに被害が出ています。高温のために生育が遅れ、ニンジン、タマネギ、ジャガイモやブロッコリーなどが全体的に小玉になっています。例年なら9月から“初物”として北海道産のジャガイモなどが出回りますが、この暑さで収穫量と品質の低下が心配されています。

政府は対策を

 福島県農民連事務局長・根本敬さんの話 今後も「異常気象」が続くといわれています。日本の農業の柱である米の値段が下がり、異常気象で他の作物も満足にとれなければ、生産をやめる農家も出てくるでしょう。政府は、食料がいつでも手に入るという考えを見直し、もっと総合的な食料対策を取るべきです。





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