2010年9月4日(土)「しんぶん赤旗」

労働者1200人 雇用維持

独 ダイムラー移転計画撤回

労組・職場運動の成果


 ドイツの自動車大手ダイムラーの労働者がベルリンの販売部門の遠隔地への移転を撤回させました。これによって、1200人が引き続き同部門で働くことができるようになりました。8月31日付のベルリナー・モーゲンポストが報じました。


 ダイムラーは、2008年のリーマン・ショック以降、コストの10〜15%削減計画を打ち出し、販売部門のコストは最大30%削減するとしていました。このため、ベルリンの繁華街ポツダム広場にある販売部門をビルの賃貸契約の切れる12年にシュツットガルトに移転する予定でした。

 シュツットガルトに移転すると、ベルリンで働く労働者の大半は転勤できる条件がなく、事実上、解雇になります。このため、独金属産業労組(IGメタル、230万人)や企業内の各事業所の労働者を代表する事業所評議会が撤回を求めて交渉、抗議の職場集会を行ってきました。

 事業所評議会のラインハルト・ファイダー氏はシュツットガルトへの移転計画が撤回され、「ダイムラー側と販売部門が、ベルリン市内または隣接するブランデンブルク州内にとどまることで合意した」と発表しました。ポツダム広場の賃料が高額なため、そこからの移転はしますが、現在、勤めている労働者の通勤可能な範囲にとどまります。

 一方、同じポツダム広場のビルにあり、500人が働く金融部門の移転については、問題が残っています。会社側は金融部門をメルセデス銀行と統合し、300人をシュツットガルトに異動させ、150人は余剰人員となるとして、解雇の可能性も示しています。

 独金属産業労組は撤回を求め、毎週水曜日に抗議デモを実施しています。





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