2010年9月4日(土)「しんぶん赤旗」

法人税5%下げ要望

来年度税制「改正」 最大2.5兆円 減収


 各省庁が8月末までに政府税制調査会(会長・野田佳彦財務相)に提出した2011年度税制「改正」要望数が、単純集計で合計259項目となることが財務省のまとめで分かりました。このうち減税要望による減収見込み額は、経済産業省による法人税率(国税)の5%引き下げ(1兆円)を含め、1兆5600億円に達しました。

 経済産業省が大企業優遇税制のいっそうの拡充を求める一方、厚生労働省は消費税増税の方向を示しました。各省庁の税制「改正」要望からは、菅直人内閣の逆立ちした税制「改正」の方向が浮かび上がりました。

 法人税率の5%引き下げは最大の減税要望となりました。1兆円の減収見込み額も「景気低迷で法人税収が落ち込んだ10年度を前提としており、実際は1兆円レベルにとどまらない」(古本伸一郎財務政務官)とされ、減収規模が最大2兆5000億円に膨らむ可能性もあると見られます。

 さらに経済産業省は、企業の研究開発費の一定割合を法人税額から差し引ける研究開発減税の拡充や産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(産活法)による登録免許税の減税措置の拡充など、大企業優遇税制の拡充を求めました。11年3月31日に期限となる中小企業の法人税率の特例(本則22%を18%に軽減)については、「早急に引き下げる」としました。ただし、減税財源の確保を条件としています。

 金融庁は上場株式等の譲渡益(売買益)や配当にかかる税率を10%に軽減している証券優遇税制(11年末まで)の延長を求めています。

 厚生労働省は、「社会保障に関する経費の安定財源を確保するための税制上の所要の措置」を講じることを要求しました。同省は、要望書で、自公政権下による09年度税制「改正」大綱が「消費税を含む税制抜本改革を経済状況の好転後に速やかに実施」するとしていることを指摘。要望を正当化しています。





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