2010年9月2日(木)「しんぶん赤旗」

ノーモア・ミナマタ東京訴訟

早期・平等な救済を

地裁が和解勧告


 熊本、鹿児島両県から首都圏などに移住し、検診や治療の機会もないまま、苦しみ続けてきた未認定水俣病患者51人が、加害企業の「チッソ」と国などに「健康調査や被害救済を怠った」として早期救済を求めたノーモア・ミナマタ東京訴訟(第1陣・第2陣)の第1回口頭弁論が1日、東京地裁で開かれました。山本昭彦原告団長ら原告3人が、感覚障害・運動障害の健康被害の苦しみを切々と訴え、すべての水俣病被害者にたいして早期に平等な救済をするよう訴えました。


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(写真)ノーモア・ミナマタ東京訴訟の第1回口頭弁論のため入廷する原告・弁護団、支援の人たち=1日、東京地裁前

 松並重雄裁判長は「公式発見から54年を経過し、被害者の高齢化が進んでいる。早期かつ平等な全面解決を図りたい」とのべ、和解を勧告しました。原告と国、熊本県、チッソが和解勧告を受け入れ、同日から協議を開始。第1回の口頭弁論で、司法が勧告をだすのは異例のことで、水俣病公害訴訟では初めてです。

 同原告団・弁護団と東京支援連絡会議、全国公害被害者総行動実行委員会の公害被害者らが口頭弁論後、「報告集会」を東京都千代田区の弁護士会館で開催。意見陳述した山本団長は「水俣病だということを気づいていない人たちがまだたくさんいる。私たちが立ち上がらなければ、こういう公害はなくならない」と語りました。

 尾崎俊之同弁護団長は、第1・2陣の51人と8月末までの第3陣提訴を含め、原告が195人に上ったことを明らかにし、原告の救済だけでなく、すべての未認定水俣病患者の救済を訴えました。

 熊本、大阪、新潟3地裁の水俣病公害訴訟のうち熊本地裁では、和解の基本合意が成立。大阪、新潟でも和解勧告が出されています。

 ノーモア・ミナマタ国賠訴訟(熊本)原告団副団長の山口広則・水俣病不知火患者会副会長は「きょう和解勧告がでましたが、これからが大事。和解成立までみなさんと手をつないでがんばっていきましょう」と、連帯あいさつしました。





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