2010年8月29日(日)「しんぶん赤旗」

100年前のきょう「併合」条約発効

韓国で歴史論議活発


 日本が朝鮮半島を植民地支配下に置いた「韓国併合ニ関スル条約」の発効から29日で100年。韓国では「国恥日」と呼ばれます。メディアや歴史研究者の間では、未来に向けた日韓協力関係を築くために歴史から何を教訓とすべきかについて、論議が活発です。(面川誠)


 日刊紙・東亜日報は28日付の社説で、「日本は速やかに当初から無効だったことを認めるべきだ」として、「慰安婦」、徴用被害者などの問題解決に誠実に取り組まなければ、「未来志向の韓日関係は定着しない」と強調します。

 李朝末期の大韓帝国内部の権力争いに付け込まれて植民地に転落したことを振り返り、「朝鮮半島をめぐる大国の利害の争いは、いまも繰り返されている。国際情勢に対する賢明な判断が、1世紀前にも増して強く求められている」と主張しました。

 日刊紙・ハンギョレの同日付社説は、「両国の市民交流をいっそう広げて多様化させるべきだ。政府レベルの交渉で歴史問題を円満に解決することは期待しがたい」と指摘。今後は、「市民の交流を観光や大衆文化にとどまらず、共生、和解、平和などの分野に拡大することが大事だ」と提案しています。


西大門刑務所歴史館で特別展

「日本の若者来館 展望感じる」

写真

(写真)西大門刑務所歴史館で開かれている特別展(面川誠撮影)

 独立運動家が多く投獄された監獄を保存している西大門刑務所歴史館は、「巨大な監獄、植民地を生きる」と題した特別展を開催中です。

 朴慶穆(パク・キョンモク)館長は、「併合に至った過程を検証すると、日本と韓国にはそれぞれの責任がある」と指摘。「しかし、『併合』条約を不法に強制した日本側が大きな責任を持っていることは自覚してほしい。平和構築と地域協力で手を結べる日韓関係をつくるためには、何よりも日本側が真剣に歴史の教訓をくみ取ることが必要だ」と強調します。

 歴史館の展示企画に参加した民族問題研究所の金丞垠(キム・スンウン)研究員は、「この歴史館を訪れる外国人の約6割は日本人で、若い人が目立ちます。多くの日本人が歴史と向き合おうとしていることに、未来への展望を感じる」と語りました。





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