2010年8月28日(土)「しんぶん赤旗」

口蹄疫 終結を宣言

宮崎 地域再建へ問題は山積


 宮崎県の東国原英夫知事は27日、県庁で記者会見し、宮崎県の畜産・地域経済・社会に深刻な被害をもたらした家畜伝染病・口蹄(こうてい)疫の終息を宣言しました。

 4月20日の1例目の確認以降、292カ所の農場に拡大。感染・感染疑いと拡大防止のためのワクチン接種で約29万頭の家畜が殺処分されました。

 5月18日に出された「非常事態宣言」も7月27日に解除。家畜の排せつ物の処理も26日までに完了しました。すでに県は、復興に向けた方針を決めており、今後、「畜産王国」の復興、関連業者をはじめとする地域経済・社会の再建が大きな課題となります。

 東国原知事は「復興への一つのヤマを超えたというところだ」と指摘。県が国に支援を求めている「基金」について「国に対して支援を求めていく」とし「これまでの経緯を検証し家畜伝染病予防法の見直しやマニュアルの再構築につなげたい」と話しました。

 「ウイルスが入ってきた経路などが明らかにならない以上、すぐ再開という気持ちにはなれない」。牛75頭を殺処分した森木清美さん(61)=川南町=はこう言い、「補償金はまだ概算払いのみです。概算払いも以前のえさ代などの支払いで消えました。本当に安全という日が来たら、再建に向けて走り出したい」と語りました。

 県農民連や県商工団体連合会などでつくる「口蹄疫対策宮崎県民ネットワーク」の来住誠太郎事務局長は「国は農家や県民に対して“ともに復興に取り組もう”というメッセージ、安全に対する宣言を早く出すべきです。風評被害の対応、農家や商工業者への支援を求めていきたい」と話します。

 日本共産党の前屋敷恵美県議は「国・県に農家や業者に対する精神的・経済的支援を求めていく」と話します。





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