2010年8月24日(火)「しんぶん赤旗」

農民連・米屋さんが 交流会

再生産できる米価は?


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(写真)稲穂も交えて懇談した「米屋さんと生産者をつなぐ交流会」=22日、東京

 農民連(農民運動全国連合会)の産直組織「農民連ふるさとねっとワーク」は22日、稲作農家と米穀業者の交流会を東京都内で開きました。品質を確かめた「こだわりの米」を消費者に知らせ、適正価格で安定供給する共同を広げようとするものです。

 ふるさとネットの堂前貢代表は、今年産米の農協提示価格が1俵60キロ1万円程度であり昨年比2000円ほど下落していることを指摘、「豊作を生産者は喜べない。国の調査で米の生産費は1万6500円だ。政府は転作達成農家に戸別所得補償をするというが、1万3700円と安い。下落するとその財源も心配だ。われわれが望むのは、再生産が補償される価格だ。これでは米づくりをする人がいなくなる」と訴え、下落要因となっている「過剰米」の買い入れへの共同を求めました。

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(写真)新米の試食がおこなわれた「米屋さんと生産者をつなぐ交流会」=22日、東京

 生産者は、生育状況や作り方の報告とともに、低米価に落胆して水田を放棄する大規模農家がいることなどの実態を報告しました。

 参加した米屋さんからは「1俵いくらなら後継者ができるのか」との質問がでました。新潟県の稲作農家は、農機具や肥料代などの「物財費」の試算が60キロ1万2500円であり労賃として1俵5000円は必要だと紹介、「1万7000円以上ないと後継者はでない」と説明しました。

 交流会には、有機質肥料・減農薬栽培をする稲作農家や米の卸売業者や小売店主など約150人が参加。米屋さんの団体・日本米穀小売商業組合連合会の長谷部喜通理事長があいさつしました。新米の試食がおこなわれ、無農薬茶や米粉めんなどの加工品、米のカドミ残留分析もできる農民連食品分析センターが紹介されました。





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