2010年8月22日(日)「しんぶん赤旗」
中南米に平和地帯を
サンパウロ・フォーラム閉幕
外国軍基地に反対
![]() (写真)サンパウロ・フォーラム第16回会議の閉会総会=20日、ブエノスアイレス(菅原啓撮影) |
【ブエノスアイレス=菅原啓】中南米各国の左派政党や進歩勢力が参加して当地で開催されていたサンパウロ・フォーラム第16回会議が20日、最終宣言を満場一致で採択して閉幕しました。
最終宣言は、イランなどを標的とした米国による「戦争への道」を拒否し、中南米地域でも平和のために行動することを呼びかけました。また、「域外の行動主体、とくに米帝国主義の役割と存在」を地域の安全にとっての「不安定要因」と非難し、外国軍事基地反対の立場を明確にするとともに、中南米を「平和地帯」とする構想を提起しています。
宣言は、英国が実効支配するフォークランド諸島(スペイン語名マルビナス諸島)の返還を主張するアルゼンチン政府の要求を支持。同諸島内で計画されている北大西洋条約機構(NATO)軍の基地建設の動きについて、南大西洋を平和と協力の地域にするとした「国連決議違反」として強い懸念を表明しています。
宣言は、反政府武装集団と米軍の支援をうけて対抗する政府軍の間で内戦状況が続くコロンビアにかんして、軍事的な方法ではなく、交渉による政治的解決を求める立場を強調。具体的には、人質の即時解放、敵対行動の中止、外部からの仲介をともなう交渉などを提起しています。
分科会や全体総会の討論では、コロンビアやコスタリカなどでの米軍の軍事プレゼンスの拡大が報告されました。
会議では、このほか、資本主義の危機が指摘される情勢のもとで、新しい代案モデル、社会主義についての議論の重要性を強調した決議など三十数本の特別決議が採択されました。
第17回会議は、来年、中米ニカラグアの首都マナグアで開催されることも決定されました。


