2010年8月21日(土)「しんぶん赤旗」
子どもの声に耳すまそう
全教など主催 「教育のつどい」開幕
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父母と国民、教職員が子どもや教育を語り合う「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2010」が20日、和歌山市で始まりました。全日本教職員組合(全教)など27団体でつくる実行委員会の主催で、初日はのべ3550人が参加しました。
全体集会は、16年前から交流する紀北農芸高校太鼓部と、きのかわ支援学校高等部和太鼓同好会の合同演奏で開会。参加者は割れんばかりの拍手を送りました。
あいさつした実行委員会の山口隆代表委員(全教委員長)は、新学習指導要領の本格実施や貧困の影響のもと、子どもの現状を語り合うことを強調。「子どもの声に耳をすまし、みんなで力をあわせて成長・発達をはぐくむ取り組みを考え合おう」と訴えました。
また、公立高校の授業料無償化や40人学級を見直させる前進面がある一方、全国一斉学力テストの継続など教育政策の課題があると指摘。教育の条理をうたう憲法と子どもの権利条約を生かした運動を呼びかけました。
大阪市内の私立高校の女性教員(28)は「進学や正社員での就職など生徒の希望を実現するために何ができるのか、その力をもらいたい」と参加しました。授業料などの負担で高校生活を続けること自体も厳しいといいます。「教師も保護者も孤独に頑張りがちですが、広く連携していきたい」と話しました。
奈良市から来た小学5年と中学1年の母親(41)は「本当の学力とは、子どもにどんな力をつけていけばいいのかを学びたい」と語っていました。
作家の落合恵子さんが講演。全体集会に先立ち、学力や貧困問題、地域共同の取り組みなど七つのテーマ別に教育フォーラムを開きました。21日から同市内などで、29の分科会に分かれて討論します。
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