2010年8月19日(木)「しんぶん赤旗」
原水爆禁止2010年世界大会
日本民主青年同盟 田中悠委員長の発言
核廃絶の思いは世界に伝わる
「核兵器のない世界」の実現に向け、若いエネルギーを結集しようと誓い合った原水爆禁止2010年世界大会。日本民主青年同盟の田中悠委員長が、世界大会国際会議の分科会(3日、広島市)で発言した内容を紹介します。
「核兵器のない世界」の実現に向けて、どれだけ多くの若者が参加する取り組みにしていくかが大事です。そのために、学校や職場、街を歩く広範な青年たちに何を聞き、何を語るのか、どう私たちの仲間に加わってもらうのか、いま踏み込んで考えるときだと思います。
ともに学ぶ
第一は、誰もが気楽に参加できる、楽しい運動にしていくことです。私たちはここ数年、街頭などで折り鶴をお願いして集めています。すぐに人だかりができ、道行く人がどんどん折ってくれます。最近は、メールやインターネットを使って、平和を求めるメッセージを友人や職場の同僚に送ってもらう取り組みも広がっています。
しかし、気楽さや楽しさだけでは、多くの人が参加する運動にはなりません。そこで第二に、青年が核兵器廃絶をめざす活動に主体的に加わっていく流れをつくるにはどうするか。もっと青年と対話し、たくさんのことを交流して、ともに学ぶことが大事だと思います。
興味深いデータがあります。民青同盟の機関紙「民主青年新聞」の編集部が、東京・渋谷駅前で37人の青年に意見を聞きました。ほとんどの青年が「核兵器は必要ない」と答えたにもかかわらず、「廃絶できる」という青年は4人にとどまりました。「できない」が21人、「なんともいえない」が12人でした。ここには「核抑止力」論の影響があります。同時に、「自分たちが何かをしたところで世界は変わらない」という思いがあります。
核不拡散条約(NPT)再検討会議にあたってアメリカの青年に同じ質問をしたところ、16人全員が「核兵器はなくすことができる」と回答しました。日本の青年の模索と葛藤(かっとう)の声にどう向き合い、私たちが何を語るのかが問われています。
実感込めて
日本の青年たちは、“本当は核兵器はないほうがいい”と思っています。市民の活動にどれだけパワーがあるか、一人ひとりの行動にどれだけ力があるのかを、実感を込めて、リアリティーをもって語るべきだと思います。
私が知る大学生は、NPT再検討会議の前までは、平和活動をしていることを学校の友だちに話せませんでした。しかしニューヨークの行動に参加し、自分の思いが世界に伝わることを知りました。いま友だちから平和のメッセージを集めています。このような変化こそ、これからの運動の可能性をしめしているのではないでしょうか。
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