2010年8月18日(水)「しんぶん赤旗」

北総線の運賃下げよ

東京地裁 沿線住民 国を提訴


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(写真)記者会見する北総線値下げ裁判の会と原告、弁護団=17日、千葉県白井市

 高額の運賃が問題となっている北総線(東京都葛飾区―千葉県印西市)の沿線住民が17日、国土交通省に運賃値下げを命令することや京成電鉄が支払う安い線路使用料の認可取り消しなどを求め東京地裁に提訴しました。国に私鉄運賃の値下げ命令を求める訴訟は初めてです。沿線住民16人と1法人が原告となりました。「北総線値下げ裁判の会」(武藤弘代表)が裁判闘争の主体となります。

 北総線は首都圏の主要私鉄に比べ普通運賃・通勤定期で2〜3倍、通学定期で4〜5倍高く住民の重い負担となっています。スカイアクセス開業にともなって京成が支払う線路使用料は、北総線から京成に乗り換えた乗客の減収を補てんするだけで事実上ゼロの「ただ乗り」状態です。

 訴訟は▽2月認可の線路使用条件を取り消し、北総線営業区間の運賃・特急料金収入相当額の線路使用料を京成が支払うよう変更する▽高い北総線運賃の無効を確認し運賃の変更を命令する―などを求めています。

 提訴後の記者会見で、武藤代表は「新高速開業で乗客も増え、高い運賃の原因や構造は変わったのに、大きな負担だけが住民に押しつけられている」と訴えました。弁護団長の阿部泰隆弁護士は、高運賃の違法性と運賃認可の無効を証明し、運賃の値下げを勝ち取る裁判の意義を強調しました。


 北総線 京成高砂―印旛日本医大間の32・3キロで営業。京成電鉄が50%の株式を保有する北総鉄道が京成高砂―小室間を、京成の100%子会社千葉ニュータウン鉄道が小室―印旛日本医大間の線路を所有。7月には京成電鉄が、北総線線路を使い都心と成田空港を結ぶ成田新高速鉄道線(成田スカイアクセス)を開業しました。





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