
2010年8月17日(火)「しんぶん赤旗」
世界の食料備蓄低下
地球政策研警告 消費の72日分相当に
米国のシンクタンク、地球政策研究所のレスター・ブラウン所長はこのほど、米農業省が発表したデータを基に、次期収穫期開始前の食料備蓄残高が4億4400万トンにまで低下したことを明らかにしました。この数字は世界の食料消費の72日分に当たり、2007年から08年にかけての世界的な食料価格高騰を引き起こした07年の食料備蓄残高64日分に近い値となりました。
これはロシアや中央欧州諸国での激しい干ばつや執ような森林火災でこの地域の収穫に影響がでているため。小麦生産はロシアで昨年比27%減の4500万トン、カザフスタンで32%減の1200万トン、ウクライナで19%減の1700万トンに落ち込む見込みです。
ロシア政府は5日、穀物輸出を少なくとも今年末まで禁止すると発表しています。この3カ国は世界の小麦輸出の4分の1を占めており、小麦価格が上昇しています。
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