2010年8月17日(火)「しんぶん赤旗」

有期労働契約 制限必要

厚労省研究会へ 日弁連が意見書


 日本弁護士連合会はこのほど、有期労働契約は「合理的理由がある場合に制限」するよう求める意見書をまとめました。これは、3月に発表された厚労省の有期労働契約研究会中間まとめに対するもの。

 意見書は、有期労働契約法制の抜本的改正は、深刻化する貧困問題の対策の一環だと強調。「期間の定めのない雇用が原則(無期原則)」と明確にし、その例外となる有期労働契約は「合理的理由がある場合に制限すべきである(入口規制)」と主張しています。

 具体的には、「解雇規制の潜脱」や「景気の調整弁」を目的とした有期労働契約を制限するため、(1)休業する労働者の代替として雇用される場合、(2)業務の性質上、臨時的、一時的なものであることが明らかな業務の場合を除き、労働契約を締結できないものとすべきであるとしています。そのうえで、「更新回数、利用可能期間の上限規制をあわせて行い」、利用制限を強化するよう求めています。

 同時に、有期労働契約法制の抜本的改正がされるまで、当該労働者を保護するために、判例法理である解雇権乱用法理の類推適用を立法化することが必要と指摘。一定の要件を満たした有期契約労働者に正社員への転換を権利として認めるなど、権利性・実効性のある正社員転換制度を早期に実現するよう言及しています。

 また、同一労働同一賃金原則を機能させるため、法律に明記するだけでなく、賃金格差の事実が労働者によって立証された場合は、同一労働同一賃金原則に違反すると推定され、使用者側が格差の合理性を立証すべき責任を負わせるなど、民事効規定を定めることを検討するよう要求しています。





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