2010年8月17日(火)「しんぶん赤旗」

「国が始めた戦争 補償は責務」

東京都原爆被害者団体協議会

援護法改正求め学習講座


 東京都原爆被害者団体協議会(東友会)は16日、東京都内で、原爆被害への国家補償にもとづく被爆者援護法の改正に向けた学習講座を開きました。64人が参加しました。東友会副会長の山本英典氏(日本原水爆被害者団体協議会事務局次長)が、現行法制定をかちとった被爆者運動の経過と現行法の内容について講演しました。

 山本氏は、戦傷病者・死没者などへの国家補償を明記した法律をひき、「(国が起こした戦争による)国家補償は全国民になされるべきであり、被爆者への医療と補償は国の責務だ」と語りました。

 日本被団協の運動で、原爆医療法と原爆特措法を制定させましたが、国家補償にもとづいていないとして、援護法制定を求めて請願や署名、集会などを展開。現行の被爆者援護法制定(1994年)につながりました。

 山本氏は、現行法で、原爆投下時まで施策をさかのぼらせて遺族対策を初めて法制化したこと、諸手当の所得制限撤廃などの成果をあげたと指摘。課題として、国家補償の明記、生存者・死没者への個別補償、在外被爆者への差別撤廃などをあげました。

 山本氏はまた、菅直人首相の「核抑止力は必要」との発言に対して、「核兵器をなくすと言いながら抑止力を認めるとは話が矛盾している」と批判。「核兵器のない世界に向けて、被爆者が被害を示して国家補償の被爆者援護法を求めることは人類史的な意義がある」と強調しました。

 一般参加の男性は、「被爆者が国からの謝罪を受けておらず、30万人近い原爆死没者に補償が行われていないことに衝撃を受けた」と語りました。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp