2010年8月16日(月)「しんぶん赤旗」
中国人が見た強制連行
飢え、拷問… 調査もとに講演
愛知
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第2次世界大戦末期におこなわれた中国人強制連行・強制労働問題を中国人はどうみているかをテーマにした講演会が15日、名古屋市の公会堂でおこなわれました。日中友好協会愛知県連合会と大府飛行場中国人強制連行問題愛知対策委員会が主催したもので、講師は中国・河北大学の劉宝辰教授。
同氏は、今年3月、日中友好協会愛知県連合会が大府飛行場(東海市・大府市)の拡張工事に従事させられた中国人被害者から聞き取り調査をおこなった際に協力。その後も、同会の依頼を受け、大府飛行場で亡くなった5人の身元を調査し、2人の遺族と会い、生存者1人を捜し出しました。
同氏は、大府や秋田県花岡、広島県安野の被連行者からの聞き取りをもとに、飢えと疲労に耐えかねて逃亡したが、捕まって連れ戻され、食事もろくに与えられず、拷問を受けたなどの実態を明らかにしました。
中国人が強制連行関連企業と日本政府を相手どっておこした訴訟は15件。このうち、鹿島建設と西松建設は和解に応じています。劉教授は、他の企業と政府がどうするのか見守っているとし、「戦争加害国の人々が戦争責任を反省する自覚を持ち、私たち中国人にとってもまた、広い心を持った国民意識を形成することが必要だと考えています」と語りました。
日中友好協会愛知県連の富田好弘理事長が、大府飛行場での強制連行問題に関するこの間のとりくみについて説明しました。
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