2010年8月11日(水)「しんぶん赤旗」
核廃絶 信念強まった
被爆地訪問の国連事務総長
【ワシントン=西村央】平和記念式典参加などで広島、長崎を訪問した潘基文(パンギムン)国連事務総長は9日、ニューヨークの国連本部で会見し、「原爆被害の衝撃は想像をはるかに超えるものだった」と訪問の印象を述べ、「核兵器のない世界に向け、あらゆる努力をしなければならないという信念を強くした」と核兵器廃絶の必要性を強調しました。
潘事務総長は、多くの被爆者と懇談する機会があったことにも触れ、「多大な苦しみを経ながらもその勇気と力には心が動かされた」と指摘。「核兵器が存在する限り、その脅威もまた存在する。脅威を取り除くとしたら、核兵器そのものを廃絶する必要がある」と表明しました。
事務総長はまた、ジュネーブで行われている国連の軍縮会議のハイレベル会合を9月24日にニューヨークで開くと発表しました。その狙いについて、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効や、兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約交渉の開始で合意形成をはかるための議論をしていくと語りました。
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