2010年8月11日(水)「しんぶん赤旗」

「韓国併合」100年

「痛切な反省とおわび」

首相談話 朝鮮王朝儀軌「引き渡し」表明


 政府は10日の閣議で、「韓国併合」100年に当たっての首相談話を決定しました。

 談話は1995年8月15日の「村山首相談話」を踏襲し、「植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛に対し、ここに改めて痛切な反省と心からのお詫(わ)び」を表明しました。日本による韓国の植民地支配については、「(韓国の人々の)意に反して行われた」と認めています。

 菅直人首相は10日の記者会見で1910年の韓国併合条約の有効性について問われ、「1965年の日韓基本条約で確認された考え方を踏襲している」と答弁。同条約では韓国併合条約は「もはや無効」と、併合条約を調印した時点では有効だったとの歴代政権の見解を引き継ぐ考えを示しました。

 村山富市首相は95年10月5日の参院本会議で「韓国併合条約は法的に有効」と答弁。韓国や北朝鮮で強い非難の声が上がりました。

 談話は、「これからの百年を見据え、未来志向の日韓関係を構築」していくと強調。朝鮮王朝の主要行事を絵や文章で記録した古文書で、「韓国併合」後に日本に渡った「朝鮮王朝儀軌(ぎき)」を「引き渡す」方針も明らかにしました。仙谷由人官房長官は10日の記者会見で、「個人補償・請求権の問題は決着済みという前提だ」と述べました。

 民主党や自民党の一部には、65年の日韓請求権協定で決着した請求権問題が「再燃しかねない」との議論があり、今回、談話を出すこと自体、批判しています。

 民主党政権下で、歴史認識に関して政府が見解を示したのは初めて。菅首相は今回の談話を出すために、7月下旬に予定していた2010年版防衛白書の公表を9月以降に延期するなど、慎重な対応を取ってきました。


 「韓国併合」 1910年8月22日の韓国併合条約に基づき、日本が韓国を強制的に植民地にしたことを指します。日本政府は1904年に軍事的圧力のもとで第1次日韓協約を締結。翌年の第2次日韓協約(日韓保護条約)で韓国の外交権を奪い、日本の事実上の属国としました。さらに07年の第3次日韓協約で韓国軍を解散して、内政権も奪い、10年に日本軍の厳重警戒のなか併合条約を締結しました。





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