2010年8月10日(火)「しんぶん赤旗」
原水爆禁止世界大会
核廃絶へ草の根の力
国際交流フォーラム 各国代表が報告
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原水爆禁止2010年世界大会・長崎の国際交流フォーラムが8日、長崎大学で350人が参加して開かれました。政府代表と世界大会参加者が意見を交わし、「核兵器のない世界」の実現に向けた決意を新たにしました。
田上富久・長崎市長の歓迎あいさつ(別項)に続いて4人が発言。キューバのバジェステル駐日臨時代理大使は米国の核政策を批判し、シャールル・イクラム国際原子力機関(IAEA)マレーシア代表理事は、5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議「最終文書」の成果と問題点を解説しました。
アラブ連盟のアブデルモネイム軍縮・戦略問題特別顧問は5年後のNPT再検討会議に向けた準備会合を広島か長崎で開くことなどを提案。日本原水協の高草木博事務局長は、世界的な核廃絶の流れを作ったのは草の根の力だと強調しました。
4人の発言を受け、イランの核開発や「核の傘」に固執する日本政府の姿勢などについて議論しました。
国際交流フォーラムでの
田上市長のあいさつ(要旨)
原爆が長崎に落とされて65年目の夏を迎えました。人類が核兵器を持ってから65年の歴史が刻まれたということです。「核兵器のない世界」をもう一度つくり、次の世代に渡すことは、核兵器のある世界に生きている者の責務です。
長崎、広島の被爆者が体験を語り続けているのは、「自分が死んだ後に核兵器が使われることがあってはならない」、「世界のどの国の人たちも、自分たちが経験した惨禍を経験してはいけない」という思いからです。
いま国連が潘基文(パン・ギムン)事務総長のもとで、「核兵器のない世界」を実現しようとメッセージを発信し始めています。
核兵器の廃絶に臆病(おくびょう)になっているのは、核兵器を持っている国や、そうした国の(「核の傘」の)もとにある国の政府です。それに対して、核兵器はいらないと政府に伝え、政府を包む運動をつくっていく必要があります。
次のステップである核兵器禁止条約の実現に向けて進んでいく必要があります。さまざまな活動をしているみなさんが一つになって、力を結集していくことで禁止条約が実現すれば、「核兵器のない世界」に向けて大きく前進することになります。
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