2010年8月7日(土)「しんぶん赤旗」

原水爆禁止2010年世界大会・広島

広島からのよびかけ(全文)


 6日、原水爆禁止2010年世界大会・広島で採択された決議、「広島からのよびかけ」は次のとおりです。


 広島・長崎の被爆から65年―「ふたたび被爆者をつくるな」「核兵器をなくせ」という被爆者の声は、世界の揺るぎない流れとなっています。

 今年5月のNPT再検討会議に690万余の署名を積み上げ、1600名もの代表を派遣した私たちの行動は、核兵器廃絶を求める大波となって国連本部を包みこみ、「核兵器のない世界」の実現は国際政治の明確な目標として再確認されました。広島の平和祈念式典に出席した潘基文(パン・ギムン)国連事務総長も、被爆者が生きているうちに核兵器廃絶を達成しようとよびかけました。

 いま必要なのは、核兵器全面禁止・廃絶条約の交渉をすみやかに開始することです。しかし核保有国は、期限を設けた廃絶交渉に反対しています。その根底には、核による脅迫で自国の安全を守ろうとする「核抑止力」論があります。これこそが「核兵器のない世界」実現にとっての最大の障害です。

 被爆国であるにもかかわらず、アメリカの「核の傘」のもとにある日本の在り方は、とりわけするどく問われています。日米軍事同盟の強化をねらう菅政権のもとで、アメリカの核持ち込みを公然と認める「非核三原則」の空洞化が検討され、普天間問題でも「日米合意」による沖縄への基地押しつけが強行されようとしています。私たち日本の運動の役割はますます重要になっています。

 原水爆禁止2010年世界大会に参加した私たちは、つぎの行動をよびかけます。

 核兵器廃絶条約の交渉開始を求める声をさらに大きく広げましょう。「核兵器のない世界を」署名をはじめ、国民の声を結集し、世界の諸国民と連帯する多彩な行動を発展させましょう。広範な人びととの共同、自治体ぐるみ、住民ぐるみの運動をさらに発展させ、地域・職場・学園に「核兵器のない世界」を求める強固な世論を構築しましょう。

 アメリカの「核の傘」からの脱却を日本政府にせまりましょう。「核密約」の破棄、「非核三原則」の厳守と法制化、「非核神戸方式」の普及・拡大、「非核日本宣言」の運動をさらに発展させましょう。沖縄の人びとと思いをひとつに米軍普天間基地の無条件撤去を求め、新基地建設に反対しましょう。米軍基地の再編強化と自衛隊海外派兵に反対し、憲法9条を守りいかす運動、軍事費削減、いのち・くらしと雇用を守る運動をいっそう強めましょう。

 被爆の実相をさらに解明し、これを学び、世界にひろめることは、核兵器廃絶条約を求める世論を強め、「核抑止力」論を打破するうえでも決定的に重要です。被爆者の体験と思いを聞き取り、映像・活字などあらゆる形で記録して、発信・普及・共有していく運動を、「人類的な事業」としてくり広げましょう。原爆症認定集団訴訟の成果を踏まえ、原爆被害の実態に即した被爆者行政へ抜本的に転換させましょう。

 核兵器や軍事力で平和を守るという「抑止力」論を打ち破るため、いまこそ大いに学び、国民的議論を巻き起こしましょう。被爆者とともに、そして若いエネルギーを結集し、「核兵器のない世界」の実現にむけて前進しましょう。

 ノーモア・ヒロシマ ノーモア・ナガサキ ノーモア・ヒバクシャ

 2010年8月6日

 原水爆禁止2010年世界大会・広島





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