2010年8月6日(金)「しんぶん赤旗」
原水爆禁止世界大会
政府代表と参加者が対話
広島 連携の重要さ語り合う
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原水爆禁止世界大会参加者とエジプト、マレーシア、メキシコの各政府代表が直接対話するフォーラム「核兵器のない世界を―政府と反核平和運動の対話」が5日広島市で開かれ、250人が参加しました。「核なき世界」を目指すことで国際社会が一致するという今日の情勢をつくりだした世論と運動、各国政府の連携の重要さを語り合いました。
駐日エジプト大使のワリード・マハムード・アブデルナーセルさんは、世界大会を「日本だけでなく世界全体で核兵器がもたらす危険についての認識を高める重要な場」と評価。核廃絶の実現に「非政府組織(NGO)との協力がきわめて重要だ」と強調しました。
国際原子力機関(IAEA)マレーシア代表理事のムハンマド・シャールル・イクラム・ヤーコブさんは、5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議が最終文書を採択した意義を語りました。
駐日メキシコ大使のミゲル・ルイスカバニャス・イスキエルドさんは、「多くの人々の考え方を私たちが変えつつあるのではないか」と述べ、核廃絶をめぐる最近の情勢の進展に平和運動が果たした役割を強調しました。
日本原水協事務局長の高草木博さんは、世界大会が2000年以降、市民運動と政府間の対話を発展させてきたことを紹介。「国連が世界(の市民)の意思を受けて大国を動かす時代」になろうとしていると述べました。
会場からは「NPT未加盟の国をどうやって加盟させるのか」「学生で勉強しながら平和運動しているが、アドバイスを聞きたい」などの質問や意見が出され、各氏がそれぞれ答えました。
このなかで「日本政府を世界はどうみているのか」という質問に、アブデルナーセルさんは「日本は唯一の核の犠牲になった国。核軍縮の問題でも(前向きな役割を果たすことを)期待している」と述べました。
「絶対に核兵器はなくせるという勇気が欲しい」という発言にルイスカバニャスさんは「わたしたちが訴えてきたことが(世界を)動かしている」と重ねて強調。シャールル・イクラムさんも、日本の国民平和大行進の取り組みに触れて、「感銘を受けた。あなたがたの運動には何の障害もない。がんばってほしい」と激励し、会場は拍手で応えました。
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