2010年8月5日(木)「しんぶん赤旗」

新米 16年前の半値

農民連集会、実態を報告

“国は適正価格で買い上げよ”


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(写真)地域の担い手づくりを交流した農民連全国研究交流集会=4日、東京

 8月の前半には店頭にならぶ「超早場米」(新米)の生産者価格が暴落しています。代表的な産地・宮崎県のコシヒカリの農家手取り価格となる農協「概算金」は、7月26日までの出荷分は60キロ1万2000円、8月3日までは1万1000円、8月4日以降出荷分は1万円となっています。

 この実態が、4日開かれた農民運動全国連合会(農民連)の全国研究交流集会で報告されました。宮崎では「7月の長雨でほとんどの農家は5日以降の出荷」となっており、実質60キロ1万円と、前年に比べ2400円低くなっています。

 宮崎コシヒカリは、WTO(世界貿易機関)協定で外国産米の輸入が始まる前の年、1994年は農家手取りが2万円を超えていました。今年は半値の水準です。

 九州地方の稲作は、肥料や農機具などの「物財費」だけで60キロ1万1300円かかります。1万円米価では農家の労賃はなく、物財費も持ち出しという完全な赤字状態。

 昨年産米の米価は、民間在庫が多いことから、農協と卸売業者との相対取引が6月まで9カ月連続で下落、前年比で1049円低くなっています。8月下旬には千葉県、茨城県などの早場米の本格出荷となります。超早場米の低価格は、新米全体に大きく影響するため、先行きが心配されます。

 農民連の交流集会では「下落分を戸別所得補償をするというが、生産者への補償ではない」「『政府は民間在庫を適正価格で40万トン買いあげ、需給と価格に責任を持て』の声を稲刈り前に上げよう」と話し合いました。





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