2010年8月5日(木)「しんぶん赤旗」

核廃絶が現実的課題に

世界大会・広島が開幕

地球的規模で行動を


 原水爆禁止2010年世界大会・広島の開会総会が4日、広島市内で開かれました。海外と日本全国から7400人が参加し、核不拡散条約(NPT)再検討会議をうけて、核兵器廃絶が現実的目標となったことへの確信が語られ、草の根の運動をさらに広げようとの熱気に包まれました。


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(写真)原水爆禁止2010年世界大会で開会総会に参加する人たち=4日、広島市

 「昨日退院して、この会を励ますためにやってまいりました」。85歳の被爆者、坪井直さん(日本原水爆被害者団体協議会代表委員)が来賓あいさつでこう話し出すと、参加者が感嘆の声をあげました。坪井さんが広島での被爆体験を語り、「核兵器廃絶をこの目で見るまでは決して死ぬわけにはいきません」と力を込めると、大きな拍手がわきました。広島県被団協の金子一士理事長と壇上で握手。再び拍手に包まれました。

 新日本婦人の会の高田公子会長が開会宣言。主催者報告をした冨田宏治氏(関西学院大学教授)は「NPT再検討会議は、核兵器廃絶はもはや押しとどめることのできない流れであることを示した」と指摘。「地球規模の草の根の運動が国際政治を動かしている確信を胸に、今こそ廃絶に向けて立ち上がろう」と呼びかけました。

 NPT再検討会議にあわせたニューヨーク国際共同行動のとりくみや沖縄・米軍普天間基地撤去のたたかい、海外・国内の草の根の活動が生き生きと報告されました。

 来賓あいさつした秋葉忠利・広島市長は、被爆者の悲願を世界に伝えるとのべるとともに、日本政府に対して非核三原則の法制化と「核の傘」からの離脱を求めました。マレーシア、メキシコの政府代表があいさつしました。

国際会議が閉幕

 2日から広島市で開かれていた原水爆禁止2010年世界大会・国際会議は4日、閉会総会を開き、「核兵器のない世界」が国際政治の明確な目標になった今、核兵器廃絶条約交渉のすみやかな開始を求める行動を世界各地で具体化し、強化・発展させようと呼びかけた宣言を採択し、閉幕しました。

 宣言は、「核抑止力」論が「核兵器のない世界」実現の最大の障害になっていると指摘。核保有国とその「核の傘」のもとにある同盟国に「(核抑止力論と)決別するよう迫る広大な世論と運動が必要だ」と力説しています。

 被爆国・日本が米国の「核の傘」に依存していることについて、「アジアの平和と安全、『核兵器のない世界』実現にとって重大な障害」だと告発。沖縄・普天間基地をはじめ在日米軍基地の再編・強化に反対し、撤去を求める運動などへの連帯を表明しています。

 被爆65年にあたり広島・長崎の被爆者、世界の核被害者への支援強化と、その体験とたたかいを「人類的な事業」として継承するよう呼びかけました。

 閉会総会では、英海軍退役中佐のロバート・グリーンさんが発言。前日に開かれた三つの分科会と、関連行事として行われた科学者集会についての報告がありました。





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