2010年8月3日(火)「しんぶん赤旗」

核廃絶条約 交渉迫ろう

原水爆禁止世界大会国際会議始まる

運動の「次のステップ」議論


 原水爆禁止2010年世界大会国際会議が2日、広島市内で始まりました。3日間の予定です。初日は250人が参加。5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議で「核兵器のない世界」を目指すことで国際社会が一致し、廃絶に向けた新たな機運が高まるなかで、その実現に向けてどのような方策をとるのかを議論しました。再検討会議で重要な役割を果たした国連、各国政府、非政府組織(NGO)の代表など27カ国、74人が参加予定で、同会議後初めての大規模な国際会議となります。


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(写真)海外代表が参加して開幕した原水爆禁止2010年世界大会国際会議=2日、広島市

 会議には国連の潘基文(パンギムン)事務総長、NPT再検討会議のカバクチュラン議長のほか、ニュージーランド、ラオス、ベトナムの各政府からメッセージが寄せられています。

 開会総会では、日本原水協の沢田昭二代表理事、日本被団協の木戸季市事務局次長がそれぞれあいさつ。アラブ連盟のモハメド・エゼルディン・アブデルモネイム軍縮・戦略問題特別顧問が「核兵器廃絶条約を求める行動を」と訴えました。

 会議はこの日、「核兵器のない世界のために―次のステップ」(第1セッション)と「核抑止論の克服、外国軍事基地撤去の運動との連帯、平和と安全のために」(第2セッション)をテーマに議論しました。

 第1セッションでは、フランス平和運動のロラン・ニベ副議長、英国の核軍縮運動(CND)のリンダ・ハグルさん、アメリカフレンズ奉仕委員会のジョゼフ・ガーソンさん、日本原水協の高草木博事務局長の4人が問題提起しました。

 ニベさんは、NPT再検討会議の成果に触れ「これほど有利な共同が生まれている状況はこれまで経験したことがない」と強調。ハグルさんは「いまや核兵器禁止条約を求める国際的圧力をさらに強め、その前進を押しとどめがたいものにする可能性が生まれている」と述べました。

 ガーソンさんは「世界大会の場での話し合いが引き金となって次の精力的な廃絶運動が始まること」に期待を表明。高草木さんは▽核兵器廃絶条約の交渉開始を迫る▽自国の政府の態度を問う▽被爆の実相と被爆者のたたかいを人類全体が共有する―ことの重要性を呼びかけました。

 問題提起を受け、海外代表を含め活発な討論が行われました。そのなかで日本共産党の緒方靖夫副委員長は、核兵器をめぐる情勢が新たな到達点にあるとし、「こうした情勢をもたらした力の源泉は、世論と運動だ」と力説しました。





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