2010年8月2日(月)「しんぶん赤旗」

危機遺産リストからガラパゴス諸島外す

世界遺産委員会


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 ブラジルの首都ブラジリアで開催されている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第34回世界遺産委員会は7月29日、エクアドルのガラパゴス諸島を危機遺産リストから外す決定を行いました。

 チャールズ・ダーウィンが1835年に訪問し、進化論の着想を得たことで知られる同諸島は、エクアドル本土から西約900キロの太平洋上に広がり、イグアナやゾウガメなど多様な動植物相を持つことで知られます。1978年に世界遺産(自然遺産)として登録され、2001年にはガラパゴス海洋保護区も含めた登録となりました。しかし90年代以降の急速な観光地化と人口の急増に伴う環境汚染、外来生物の侵入などで07年6月に危機遺産リストに登録されていました。

 危機遺産リスト解除はエクアドル政府による保全措置の強化の努力が評価されたもの。同諸島では外来動植物の持ち込みを防ぐため探知犬などの取り締まりが導入されています。

 同委員会はまた、ことし3月、火災でほぼ全焼したウガンダの首都カンパラの世界遺産「カスビのブガンダ王国歴代国王の墓」を危機遺産リストに加えました。この墓は、ブガンダ王国の初代王ムテサ1世が1882年に建てたかつての宮殿で、4代の王が埋葬されていました。同遺産は再建されることになっています。

 また同委員会はグルジア中部クタイシにある世界遺産「バグラティ大聖堂とゲラティ修道院」の保存修復計画が、世界遺産としての真正性と完全性を損ねかねないとして、危機リストに加え、計画即時中止を求めました。





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