2010年8月1日(日)「しんぶん赤旗」

小学生が描いたヒロシマ 米国から里帰り

願いは核廃絶

“事実知って行動しよう” 日米高校生交流


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(写真)本川小学校平和資料館で始まった展示会=31日、広島市

展示会始まる

 原爆投下直後の広島の光景を小学生が描き、米国の首都ワシントンの教会に贈られた48点の絵画と書が里帰りし、7月31日から広島市立本川小学校平和資料館で展示会が始まりました。

 この48点の作品は、広島の爆心地に最も近い同小学校の児童が1948年、ワシントンのオール・ソウルズ教会に贈ったもの。同教会が前年、広島の子どもたちに学用品を贈ったことへのお礼でした。

 同教会の倉庫に埋もれていましたが、95年にワシントンの反核組織ヒロシマ・ナガサキ平和委員会のジョン・スタインバックさんらの尽力で発見。2006年に広島出身で米国在住の舞踊芸術家、重藤(しげとう)マナーレ静美さんが保存運動を始め、09年5月にワシントンで展示会開催にこぎつけました。

 広島での展示会の実行委員長で、作品の制作者の一人でもある東川源治さん(72)は「小学5年生の夏休みのスケッチ大会で描いた絵です。米国に贈られたことは当時、知らされていませんでした」と「再会」に感慨深げ。オール・ソウルズ教会のメルビン・ハーディーさんも「すばらしい展示です」と述べました。

 重藤さんは「(会場で)作品に対面した瞬間、感激があふれ、涙が出ました。(原爆の)悲劇が繰り返されないよう願いを託したい」と語りました。

 広島市の秋葉忠利市長、同教会のロバート・ハーディズ牧師らが出席して、記念式典が開かれました。

 展示会は8月9日まで。


東京で語り合う

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(写真)報告をするセント・ルークス校の高校生と話を聞く参加者=31日、東京都世田谷区

 東京高校生平和ゼミナール連絡会は31日、日本と米国の高校生交流会を都内で開きました。

 交流会には約70人が参加。映画「NAGASAKI・1945〜アンゼラスの鐘〜」上映後、同映画の監督・有原誠治氏が「放射能の恐ろしさを伝えるために制作した。世界の人に映画を通じて原爆の実相を知ってほしい」とあいさつしました。高校生は3、4人に分かれて、「原爆投下のシーンでは自分も飛ばされそうな気持ちになった」「薬不足で患者を助けられなかった医師はつらかったと思う」など映画の感想を話し合いました。

 来日したセント・ルークス校(ニューヨーク州)の教師と生徒は、移民労働者の待遇改善を求める手紙を企業経営者に送ったことや、貧困家庭の子どもに勉強を教えに行く活動などを紹介。事実を知るだけでなく、意見を表明し、行動に移すことが大切だと述べました。核兵器の学習では、被爆者や米兵の証言を聞き、米国の上院議員にたいして核兵器削減を働きかける書簡を送ったことなどを報告。「世界にある核兵器の9割は米国とロシアが保有している。米国が核兵器廃絶に動くことが大事です」と話しました。

 東京の高校生は、5月に参加した核不拡散条約(NPT)再検討会議のニューヨーク行動の模様を語り、「街頭のパレードは世界中からの参加者であふれていて、私たちの核兵器廃絶の思いがグローバルなものだと実感した」とのべました。

 このほか基地問題や日米の文化などをテーマにした分科会で交流を深めました。





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