2010年7月29日(木)「しんぶん赤旗」

潘基文国連事務総長 「広島会議」へのメッセージ(大要)


 国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が26日、「2020核廃絶広島会議」に送ったメッセージ(大要)は次の通り。


 核軍縮・廃絶は夢だと片付けられることが多いが、核兵器が安全を保証するとか、一国の地位や威信を高めるとかいった主張こそが幻想だ。国家がそうした主張をすればするほど、他の国も同じような態度をますますとるようになる。その結果、すべての国が危険に陥る。明確にしよう、安全を保証し、核兵器の使用から逃れる唯一の方法は、それを廃絶することだ。

 私は平和市長会議に対し、核の脅威のない世界への道を指し示す手助けをしてくれることを感謝する。世界の人口の大半は今日、都市に住んでいる。もし世界中の市長が団結すれば、世界は団結する。

 私自身が2008年10月に提案した5項目提案は、核兵器条約のアイデアを支持することなど、核兵器の廃絶に向けた現実的な道筋を示している。私たちはさらに、今年の核不拡散条約(NPT)再検討会議が成功したことでついた弾みの上に成果をあげねばならない。

 核兵器廃絶を達成するための(平和市長会議が提唱する)「2020ビジョン運動」の予定表はとくに重要だ。私は、被爆者が自分たちの体験した核兵器の恐怖を世界に語ろうと決意したことを深く称賛する。

 私はすべての指導者、とくに核兵器国の指導者に対し、広島と長崎を訪ね、核戦争が引き起こした激烈な現実をじかに見るよう強く求める。私自身、10日後、今年の平和記念式典に出席のため訪問する。そこで私は、軍縮の課題を前進させるため緊急の措置を訴える。

 私は、すべてのみなさんがその努力をいっそう強めるよう求める。各国政府が、もはや核兵器のない世界を求める国民の意思にこたえる以外にないという日に向かって努力しよう。





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