2010年7月27日(火)「しんぶん赤旗」

ポル・ポト法廷 初判決

元収容所長に禁固35年


 【ハノイ=井上歩】カンボジアの旧ポル・ポト派政権元幹部の大量虐殺を裁くカンボジア特別法廷は26日、人道に対する罪などに問われた元トゥールスレン収容所長カン・ケ・イウ(通称ドッチ)被告(67)に対し、禁固35年の有罪判決を言い渡しました。


殺人・拷問罪など認定

 同法廷での判決は初めて。判決は、1975年から79年までのポル・ポト政権下、同被告の収容所で少なくとも1万2273人が殺害されたとし、同被告の殺人、拷問、人道に対する罪などを認定しました。

 また判決は、同被告が2007年まで軍に違法に拘束されていたとして、5年を刑期から差し引きました。

 同被告は審理で収容所内での拷問と処刑について謝罪。一方で「命令に従うしかなかった」などと弁明しました。最終弁論では長期勾留を理由に釈放を要求していました。

 検察側は、被告が審理に協力したものの、約1万6000人が殺害された収容所内での残虐な行為からは「長期刑以外は考えられない」として禁固40年を求刑していました。

 ロイター通信によると、判決公判はテレビで中継され、市民の高い注目を集めました。

 国連の支援でカンボジア政府が運営する特別法廷は二審制で、最高刑は終身刑。ヌオン・チア元人民代表議会議長ら4人の元最高幹部は9月に起訴される見通しです。4人は容疑を否認していますが、ドッチ被告は審理で、元議長ら政権幹部が虐殺に関与していたと証言しました。





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