2010年7月25日(日)「しんぶん赤旗」
新潟水俣病
また新たな患者
住民検診「40年前から手足しびれ」
新潟水俣病の住民検診が24日、新潟市秋葉区の下越病院で行われました。
この日、55〜77歳の患者13人が受診し、その全員が水俣病と診断されました。前回6月の検診では、19人が水俣病と診断されました。
検診の対象者は、阿賀野川のメチル水銀に汚染された魚をたくさん食べ、手足のしびれ・震えなど水俣病の症状のある人です。
住民検診は、潜在被害者の救済を目的に、新潟民医連、新潟全被害者救済訴訟をたたかう新潟水俣病阿賀野患者会、新潟水俣病共闘会議で構成する実行委員会が実施したものです。医師5人、弁護士2人を含む31人のスタッフが検診と相談に携わりました。
水俣病と診断された男性(70)=阿賀町=は、「40年前から手足のしびれやとくに左足の感覚が鈍くなり、今まで我慢していた。水俣病ではないかと思ってはいたが、複雑な気持ちだ。これで人生が変わることになる。勇気を出して早く検診すべきだった。私と同じような人がもっといる」と心境を語りました。加害企業の昭和電工についても、「とんでもないことをやってくれた。若ければ怒鳴りこむところだが…」と話しました。
男性は、新潟全被害者救済訴訟の原告に加わり、補償を求めていくことになりました。

