2010年7月18日(日)「しんぶん赤旗」

テレビ難民数百万人も

アナログ停波延期学者らが提言

2〜3年延期を


 テレビ放送が地上デジタルへ完全移行する2011年7月24日まであと1年に迫る中、学者やジャーナリストらが17日、東京都内で記者会見を開き、「地上デジタル放送完全移行の延期と現行アナログ放送停止の延期を求める提言」を発表しました。このまま移行計画を強行すると“テレビ難民”が数百万単位で発生するとした試算を示し、国や放送事業者に2〜3年の延期を求めています。

 提言の発起人は、坂本衛(ジャーナリスト)、清水英夫(青山学院大学名誉教授・弁護士)、砂川浩慶(立教大学准教授)、原寿雄(元共同通信編集主幹)の4氏。延期を求める主な理由として、「受信側の準備が、まだ整っていない」ことをあげています。

 実際、11年7月までに地デジテレビの世帯普及率が9割に満たない恐れが大きいこと。共聴施設の地デジ対応も100%に引き上げることは不可能だと指摘。「11年7月24日に現行アナログ放送を終了すると、テレビを見ることができない家庭や事業所が、数百万という規模で発生する恐れがある」と警告し、「2〜3年をめどに地デジ移行・アナログ停止の延期」「計画の真摯(しんし)な見直し」を提言しています。

 放送事業者に対しても、国民の地デジ対応が進まないと受信料や広告料の大幅な減収が見込まれるとして、「計画を先延ばしするほうがメリットが大きい」と提起しています。

 記者会見で砂川氏は「国民を第一に考えた場合、ある日突然テレビが見られなくなる政策を国がやっていいのか」と問いかけ、坂本氏は「国民からの声を聞かずに始めた地デジがうまくいかないのは当然」と語りました。

 清水氏は「経済的な理由で地デジテレビが購入できないとなると、情報化社会で生きていけないということに等しい。地デジ移行によってますます格差が広がるのではないか」とのべました。





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp