2010年7月15日(木)「しんぶん赤旗」
木村前振興銀会長 逮捕
小泉政権時の金融庁顧問
“竹中プラン”の中心人物
木村剛容疑者(48)が、東京青年会議所の有志とともに、「中小企業を元気に」をスローガンに2004年4月に開業した日本振興銀行。6年余で刑事責任を問われる事態となりました。
木村容疑者は、日本銀行出身で、小泉政権時代に竹中平蔵金融担当相(当時)のブレーンとして金融庁顧問を務め、02年に公表された「金融再生プログラム」(竹中プラン)の策定に中心的な役割を果たしました。竹中プランは、金融機関に厳格な資産査定を求め、「不良債権」の抜本処理を迫るものでした。
04年秋には、第3次小泉内閣の伊藤達也金融担当相の私的懇談会のメンバーに選任されましたが、日本振興銀行の免許交付に何らかの配慮があったのではないかと、指摘されたこともあります。
日本振興銀行は、金利を高めに設定する代わりに、既存銀行から融資を受けられない中小・零細企業に融資するビジネスモデルで注目を集めました。
一方、「民にできることは民で」という小泉「構造改革」路線のもとで、国民生活金融公庫や中小企業金融公庫など政府系金融機関が統合され、中小企業融資のさらなる後退が進みました。
日本振興銀行の社長西野達也容疑者(54)は先月、警視庁による家宅捜索後の会見で、「利益追求に傾いた」と利益至上主義に“変質”した状況を認めましたが、小泉「構造改革」路線そのものが問われています。
政治の責任も重大です。
自民党の平将明衆院議員(比例東京)は05年1月に日本振興銀行の社外取締役に就任し、昨年1年間だけでも約400万円の報酬を受け取っていました。
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