2010年7月15日(木)「しんぶん赤旗」

927億円もの交付金カット 国立大学崩壊します

学長ら緊急声明 続々


 政府の「財政運営戦略」(6月22日閣議決定)で歳出・歳入の大枠を示した中期財政フレームを受けて、国立大学学長らが国立大学運営費交付金を削減しないよう求める声明を相次いで出しています。

 緊急アピールを発表しているのは新潟、香川、千葉の各大学長。それによると、中期財政フレームでは、2011年度から3年間、「基礎的財政収支対象経費」で前年度当初予算規模を上回らないとされ、増える社会保障費を踏まえると、その他の一般歳出は8%減となると試算しています。これを国立大学運営費交付金に適用すると、2011年度の運営費交付金は927億円を削減することになり、この額は全国の国立大学で6年間にわたって削減された運営費交付金総額を上回ると指摘。香川大学の一井眞比古学長は、そうなれば経済学部など4学部で教育の継続ができなくなるとのべています。

 中国地区の鳥取、島根、岡山、広島、山口の各国立大学長も9日、連名で共同声明を発表。中期財政フレームを適用した運営費交付金削減額は、中国地区5大学の2010年度運営費交付金の総額(約806億円)をも大きく上回り「中・小規模国立大学の運営が立ち行かなくなる」と指摘し、2011年度概算要求において運営費交付金を削減しないよう求めました。

 また10日に緊急声明を出した国立大学32大学の理学部長会議は、削減額は大規模大学の2大学分、小規模大学の27大学分に相当し、「国立大学の崩壊につながる」と危機感を表明しています。

 14日には国立大学協会関東甲信越地区支部所属の14大学の学長と機構長が、来年度の国立大学予算を削減しないよう要望する共同声明を発表しました。





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