2010年7月1日(木)「しんぶん赤旗」
アキノ大統領就任
「貧困の脱却最優先」を強調
フィリピン
![]() (写真)就任宣誓を終えたアキノ新大統領=6月30日、マニラ(井上歩撮影) |
【マニラ=井上歩】5月のフィリピン大統領選で勝利したベニグノ・アキノ氏(50)は6月30日、首都マニラのリサール公園内で就任宣誓式を行い、第15代大統領に就任しました。アキノ氏は就任演説で「私の政権では、人々の気持ちに無関心な政治は終わる。国民を貧困から脱却させるのが最優先課題だ」と強調しました。
アキノ氏は「汚職がなくなれば貧困もなくなる、と言ってきた私への期待を無駄にしない」と表明。教育施設やインフラの整備、医療サービスの充実に取り組むと述べました。
アキノ氏の任期は6年。最優先課題とする汚職の撲滅にどう取り組むかが注目されます。同氏は就任直前の29日、アロヨ前政権の汚職疑惑を調査する「真実委員会」を設置すると発表しました。
国民の約30%が3度の食事を十分に取れないという貧困への対策も課題です。
アキノ氏の父は暗殺された野党指導者ベニグノ・アキノ元上院議員、母はコラソン・アキノ元大統領。就任演説で「民主主義のために命をささげた両親の遺産を引き継いでいく」と強調しました。


