2010年7月1日(木)「しんぶん赤旗」

日本農業を売り渡す

菅「新成長戦略」に審判を

志位委員長が会見


 日本共産党の志位和夫委員長は30日、北海道旭川市、札幌市の街頭演説、札幌での記者会見で、6月18日に菅内閣が決定した「新成長戦略〜『元気な日本』復活のシナリオ〜」の「成長戦略実行計画(工程表)」で、日豪EPA(経済連携協定)、日米FTA(自由貿易協定)について、期日を明示して締結・推進しようとしていることを示し、「日本農業を売り渡す菅『成長戦略』に国民の審判を」と訴えました。


北海道経済に大打撃

期日示し日豪EPA、日米FTA

 菅内閣の「成長戦略実行計画」では、2010年度から2020年までの農産物自由化計画のスケジュールが書かれています。そのなかで「日豪EPA交渉の推進」は「早期実施事項」と明記されています。報道によれば、日豪EPAは2013年度をめどに「交渉妥結」とされています。さらに日米FTAの「あり方の検討」も「早期実施事項」と明記されています。

 これらの事実を指摘した志位氏は、「昨年の総選挙で民主党は、マニフェストで日米FTAの交渉促進を掲げ、きびしい批判をあびましたが、菅『成長戦略』は、さらに踏み込んで、協定締結の具体的なスケジュールまで明示しています。きわめて重大です」とのべました。

根本には日本経団連の要求

 そして志位氏は、菅政権が、農産物輸入自由化のいっそうの具体化に踏み込んだ根本には、財界の要求があると指摘。菅政権が「成長戦略」を発表する直前の6月15日、日本経団連が公表した提言――「アジア太平洋地域の持続的成長を目指して」では、日豪EPAについて「2012年までに妥結」と明記し、日米EPA締結は「2015年までに完成」と明記していることを具体的に示しました。

 志位氏は、「菅『新成長戦略』が、日本経団連のこの要求にこたえたものであることは明らかです。日豪EPAが締結されれば、北海道経済は1兆3千億円を超える打撃をこうむり、道経済は崩壊の危機にさらされます。日米FTAが締結されれば、日本のコメづくりの82%が崩壊します。財界いいなりに日本農業を売り渡す政治は許せません。日豪EPA、日米FTAストップ、『安全・安心な食料は日本の大地から』の願いを、日本共産党にと大いに訴えたい」とのべました。

図

 FTAとEPA FTA(自由貿易協定)は、貿易で特定の国・地域を対象に関税の削減・撤廃などで優遇するしくみをつくる協定です。EPA(経済連携協定)は、FTAに加えて、投資の自由化、経済取引の円滑化、人の移動や協力促進など幅広い分野を含む協定です。厳密にはこうした違いがありますが、実際にはほとんど区別せず、FTAと呼ぶこともあります。





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