2010年6月26日(土)「しんぶん赤旗」

朝鮮戦争開戦60年

安定と平和の回復を

韓国大統領が式典で演説


 朝鮮戦争(1950〜53年)の開戦から60年を迎えた25日、ソウル市内で韓国政府主催の記念式典が開かれ、参戦した元兵士やその遺族ら5000人が出席しました。韓国海軍の哨戒艦沈没で南北関係が悪化している中、韓国では休戦状態を「平和体制」に転換すべきだとの声が出ています。(中村圭吾)


 李明博(イ・ミョンバク)大統領は記念式典で演説し、「われわれの究極的な目標は軍事的対決ではなく、平和的統一だ」と強調。「朝鮮半島の安定と平和を速やかに回復し、韓民族の共同繁栄を模索しなければならない」と訴えました。

 韓国軍の哨戒艦沈没事件に関連し、北朝鮮に「率直に誤りを認めて謝罪し、国際社会の前で責任ある姿勢を取る」ことを要求。「これ以上、無謀な軍事挑発をやめ、7000万の民族が共生する道に進まなければならない」と述べ、北朝鮮に事態の解決に向けた対応を促しました。

 各政党は同日、声明を発表。与党・ハンナラ党が、朝鮮半島の平和体制の構築には、「自由民主国家への統一」が必要と述べたのに対し、最大野党・民主党などは、南北の和解、対北朝鮮強硬策の転換が必要だと主張しました。

 全国ネット局MBCのニュースでは論説委員が、「当時、明らかになったように、朝鮮半島での戦争はどちらか一方の勝利を保障するものではない」と指摘。「哨戒艦事件で、戦争も辞さずと叫ぶ人もいるが、戦争が起これば、南北がともに滅びる」「平和的共存がわれわれの唯一の道だ」と強調しました。

 延世大学国際学大学院の朴明林(パク・ミョンニム)教授は、日刊紙・韓国日報に「停戦体制を平和体制に転換するためには、南北双方が変化しなければならない」と主張。「強硬な対北朝鮮政策は望ましくない。北朝鮮も核開発を放棄する措置を取るべきだ」と述べました。





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